ビジネスで大切な「忘れるメモ術」

ビジネスで大切な「忘れるメモ術」

1つ質問させていただいてもいいですか?

皆さんは、何のためにメモを書いていますか?

私は、忘れるためにメモを書いています。

「覚えておくためにメモを取るんじゃないの?」と言われそうですが、忘れるためにメモを取るんです。

なぜ、「忘れるメモ術」で、ビジネスが上手くいくのでしょうか?

 

 

入社3年目の鳥居さんは、真面目でやる気に満ち溢れた若手のエースです。

そんな鳥居さんの取引先の1つが私に回ってきたのでビックリしました。

ボスに理由を確認すると、「取引先から担当を変えてほしい」と話があったそうです。

この取引先を失うわけにはいかないので、急遽私に担当が回ってきたというわけです。

 

 

担当を変えてほしいと言ってきた理由を聞いてみると、取引先からお願いされたことを忘れてしまい、きちんと対応しなかったそうです。

そのお願い事というのがそれほど緊急性が高いものではなかったので、鳥居さんは忘れてしまったのでしょう。

それが、続いたことで、取引先からの信用を失ってしまったようです。

 

 

鳥居さんは、普段はメモをきちんと取る人なのですが、このことはメモに取っていなかったようです。

「なんでメモを取らなかったの?」と聞いてみると、「これぐらいのことなら、メモの取らなくてもすぐに出来ると思ったから」と答えてくれました。

それを聞いて、せっかくメモを取る習慣があるのに、もったいないなと思いました。

 

 

「メモの基本」には3つのポイントがあります。

「すぐ書く」、「とりあえず書く」、「1つに書く」です。

鳥居さんは、「すぐ書く」と「とりあえず書く」が出来ていませんでした。

だから、取引先からのお願い事を忘れてしまいました。

 

 

人間は忘れる生き物です。

「これぐらいなら、覚えておいてすぐにやろう」と思っても、忘れてしまいます。

そして、1回忘れてしまったら、ほぼ思い出せないし、聞いたことすら忘れてしまいます。

人間の脳って、1つのことにしか集中できません。

何かを覚えておこうとすると、人間の脳は覚えておく行為しかできません。

何かを考えると、考える行為しかできなくなり、覚える行為が出来なくなり、忘れてしまうのです。

だから、聞いたら「すぐに書き」、書くか書かないか迷わないで「なんでも書き」、どこに書いたか探さなくていいように「1つに書く」ことが必要なのです。

 

 

始めに「忘れるメモ術」と書きましたが、まさにメモは忘れるために書きます。

脳のキャパシティーは私たちが思っている以上に小さいです。

「覚えておく」ことと「考えること」が同時にできないのです。

ビジネスをする上で、「覚えること」と「考えること」でしたら、どちらが大切ですか?

「考えること」ですよね。

それなら覚えることは書き忘れてしまい、考えることに脳のフルスペックを使ったほうがいいのではないでしょうか?

 

 

忘れるためにメモに書くことで、考えることに集中することが出来るようになる。

考えに集中することでビジネスで結果が出る。

さらに、1日1回メモ帳を振り返ることで、大切なことをすぐに思い出せる。

「忘れる」ためにメモ帳を活用することで、ビジネスの効率が2倍アップします。

 

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