成功者は皆「終わりから始める」

紙一枚の受講生に「紙に書くときに一番大切なことはなんですか?」と聞かれたら、「終わりから書くことですよ」と答えるようにしています。

紙一枚に限らずビジネスでは、「終わりから始める」ことが大切です。

なぜなら、終わりを決めないと、いつまでたっても終わらないからです。

「終わりを決めないと終わらない?」とはどういうことでしょうか?

 

 

「また、ぎりぎりになってしまいました」

新入社員の吉田さんは、イベントの4日前に私の所に報告にきました。

本来なら2週間前には話し合いを終わらせて欲しいところ。

吉田さんには、何度も伝えているんです。

何度も伝えているのに、4日前にしか終わらすことが出来ない。

私自身、ちょっと悲しくなりました。

 

 

吉田さんの仕事は、典型的な火事場の馬鹿力タイプです。

締め切りが近づくと燃えてくるタイプです。

このタイプは、期限に追われると仕事のスピードが2倍から3倍速になります。

でも、期限に余裕があると、余裕をもって仕事をしてしまうタイプです。

 

 

人にはそれぞれ仕事のスタイルがあります。

個性とも言うべきでしょうか。

ゆっくり自分のペースで仕事をする人もいれば、せっかちで早め、早めに仕事を終わらせる人もいます。

基本的にはその人の仕事のやり方を否定するつもりはありません。

でも、仕事の締め切りに毎回遅れるようですと、別の話になってきます。

 

 

まあこれは、上司として私の監督不行き届きの面もあるわけです。

吉田さんは新入社員です。

少し前までは学生さんで、社会人として働き始めるのは初めてなわけです。

なので、吉田さんが上手くいっていることは、そのまま続けてもらえばいいですが、上手くいっていないことについては、きちんとアドバイスをしないといけないわけです。

そこで、私が吉田さんにアドバイスしたのが、「終わりから考える」ということでした。

 

 

「終わりから考える」とは、単に終わりを決めるとこです。

「2/1までに終わらせる」と決めればいいわけです。

このように聞くと、簡単そうに聞こえますよね。

でも、こういうシンプルなことこそ、実は奥が深かったりします。

この「終わりから考える」も例外ではありません。

 

 

「終わりから考える」とは、別の言葉でいうと「約束」です。

「この日までに終わらせる」と言うことは、取引先、上司、会社などの相手と約束をすることです。

そして、自分と約束をすること、言い換えると「覚悟」を決めることです。

自分や相手と約束をしたわけですから、その約束を破るわけにはいきません。

だから、人は終わりを決めると、それに向かってがむしゃらに頑張れるのです。

 

 

終わりを決めていないことは、言い換えれば「覚悟」を決めていないことになります。

覚悟を決めていないので、その日暮らしの対応になります。

要するに、運勝負になりわけです。

運が良ければ計画通りに終わるし、運が悪ければ計画通りに終わらない。

でも、仕事を運に任せていいのでしょうか?

 

 

「終わりから考える」ことは、約束をすることです。

約束をすることで、約束を守るために計画を立てます。

計画立てたら、その計画を実践します。

計画通りに実践するから、その日までに終わるようになるのです。

 

 

このことを吉田さんに教えました。

さすがにすぐに、2週間前には仕上がっては来ないですが、仕事の仕方は大きく変わったようです。

何が変わったかというと、きちんと計画を立て、その計画通りに終わりに向かって仕事をするようになりました。

無計画に仕事をしていた時とは大きな違いです。

半年後、吉田さんは2週間前には仕事が終わるようになるかもしれません。

そんなことを夢見て、今日も「終わりから考え」仕事をしていきます。

 

 

 

 

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